エピソード
秋が旬の山芋には、野生種と栽培種があります。
一般的に山に自生する自然薯(じねんじょ)を山の芋と呼び、栽培種である長芋、大和芋、いちょう芋などを山芋と呼ぶことが多いです。
数ある芋類の中で唯一生食できるのが、山芋の特徴です。
野生種の山芋
野生種の自然薯は、長いものでは1mに達するほどで、すりこぎが回らなくなるほど粘りが強く、味も抜群なのですが、天然のものは収穫までに数年かかることや、掘り起こすのが大変なことから、市場にはほとんど出回りません。
しかし、最近では畑で栽培されたものが旬の時期に少量出回るようになりました。
栽培種の山芋
長芋は全国的に栽培されている最も一般的な種類で、水分が多く、粘りが少ないのが特徴です。
大和芋は、本来つくね芋というこぶし形の山芋のことです。関西地方で多く出回り、強い粘り気が特徴です。いちょう芋は、手の平や扇状の形をしていて、関東地方ではこれを大和芋と呼んでいます。粘り気は、長芋と大和芋(つくね芋)の中間です。
関東と関西では嗜好が異なり、名称も混同されています。
栄養
山芋の特徴であるヌルヌルとした成分は、ムチンというたんぱく質と多糖類(ガラクタンやマンナンなど)が結合した糖タンパクです。
ムチンには胃壁を保護して粘膜の損傷を修復する作用があるため、胃炎や胃潰瘍の予防に効果があります。また、鼻やのどの粘膜を保護することで、風邪やインフルエンザなどの感染症を予防する働きもあります。
他にも、たんぱく質を効率良く分解して吸収を高めるため、スタミナ増強や虚弱体質の改善に役立ちます。山芋が通称「山のうなぎ」と呼ばれるゆえんです。ムチンは、熱に弱いため、栄養素を効果的にとるには生のまま食べるのがベストです。
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