月経周期を安定させるために、月経周期の時期別に摂っておきたい栄養素とは?
月経周期とは
自分の月経周期が何日周期なのか、正確に言えますか? 毎ことなのに、意外と自分の月経周期を把握している人は少ないもの。 月経周期とは、月経が始まった日から次の月経が始まる前日までのことを言い、正常な月経周期はだいたい25日〜38日です。 周期には個人差があり、毎月一定の人もいれば、ばらつきのある人もいますが、数日程度のばらつきであれば問題ありません。
月経は脳でコントロールされている
月経を直接コントロールしているのは、卵巣から分泌されている女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン。 これらの女性ホルモンは、脳の視床下部・下垂体からの指令を受けて分泌されています。 つまり、月経は脳でコントロールされていると言えるのです。 その脳が強いストレスにさらされたり、過激なダイエットによって体重が急激に減ると、体は「危機」と感じとり、脳からの指令がうまく出なくなってホルモンバランスが乱れ、月経不順をはじめ、さまざまな心身の不調が表れるようになるのです。
ホルモンバランスの乱れは様々な不調を招く
ホルモンバランスが乱れたまま放置しておくと、将来妊娠しにくくなったり、のぼせ、頭痛、肌荒れなど更年期のような症状が早く表れたり、生活習慣病や骨粗鬆症などのリスクが上がる危険性があるので注意が必要です。 まずは、普段の食生活を見直してみましょう。
月経周期の時期別に摂っておきたい栄養素
月経にまつわる不調には、食生活が大きくかかわっていることも多いもの。 むくみやすい時期、冷えやすい時期など月経周期によっても体や心、肌の状態が変わってきます。 月経周期を安定させ、体調を整えるためには月経周期に合わせて必要な栄養素を補うことが大切です。 次から月経周期の時期別に摂っておきたい栄養素をご紹介します。
月経中に摂っておきたい栄養素
月経中は、月経血によって失われる鉄とたんぱく質をしっかり摂ることが大切。 鉄はレバー、赤身の肉、青魚、小松菜、ひじきなどに豊富に含まれています。 植物性の食品に含まれる鉄は吸収されにくいので、鉄の吸収を促すビタミンCを含む野菜や果物と一緒に食べるとよいでしょう。
月経痛がつらい時に摂っておきたい栄養素
月経痛がつらい時には、子宮の過剰な収縮を抑える働きがある「エイコサペンタエン酸(EPA)」が効果的です。 EPAは、マグロやサバなどに多く含まれています。 血流が滞って冷えやすいこの時期は、血行を促進して体を温める作用のあるショウガやニラをスープなどに取り入れて、内側から体を温めましょう。
月経後から排卵期に摂っておきたい栄養素
月経後から排卵期は、心身ともに最も調子がいい時期。 ストレスにも強く、痩せやすい時期なので、ダイエットのスタートにはぴったりです。 代謝をアップして体を燃焼モードにするには、トウガラシやわさび、コショウなどスパイシーな辛み成分が効果的です。 トウガラシに含まれるカプサイシン、コショウのピペリンには、脂肪の燃焼を促す作用があるので、「マイトウガラシ」や「マイコショウ」を持ち歩くのもよいでしょう。
排卵後から月経までに摂っておきたい栄養素
便秘やむくみ、下腹部痛、肩こり、頭痛、イライラ、憂うつ感など様々な症状が表れやすいのが排卵後から月経までの期間。 この時期は、食物繊維をしっかり摂って便秘を予防しましょう。 主食を玄米にしてみたり、根菜類やキノコ、海藻類をメニューに取り入れてみても。 おやつには、手軽に摂れるドライフルーツがおススメです。 むくみの防止には、カリウムが豊富なカボチャ、トマト、キュウリなどの野菜を摂るとよいでしょう。
イライラしやすい時期に摂っておきたい栄養素
イライラしやすいこの時期は、安心や癒しをもたらす脳内神経伝達物質の「セロトニン」をしっかり分泌させることが大切。 セロトニンの合成には、糖質、アミノ酸のトリプトファン、ビタミンB6が必要ですが、これらを手軽に摂れるのがバナナです。 おやつや朝食に取り入れるとよいでしょう。
3ヶ試してみよう
食事のリズムが乱れると、一日の生活リズムも乱れてしまいます。 生活リズムが乱れると、自律神経や女性ホルモンのバランスも乱れて月経不順などさまざまな不調につながってしまいます。 月経不順を感じたら、まず食事を見直すことから始め、上記のような食べ方を3ヵ試してみましょう。 そして、知らず知らずのうちにストレスをためていなかったか、睡眠はしっかりとっていたかなど、生活を見つめなおして体をいたわってあげることが大切です。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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