『正しい腹式呼吸をマスターする方法』をご紹介します。自律神経のバランスを整え、リラックスした状態を作り出すことができるので、普段から取り入れたい呼吸法です。
腹式呼吸に慣れてくると、短時間で気分をすっきりさせることができるようになるので、毎日継続して行うようにするとよいでしょう。
「胸式呼吸」と「腹式呼吸」
呼吸には、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。ふだん無意識に行っている呼吸が胸式呼吸で、肋間筋という肋骨の間にある筋肉を動かし、肋骨に囲まれた胸の部分である胸郭を上下に動かしながら行う呼吸です。
一方、腹式呼吸は横隔膜を上下に動かして行う呼吸で、肩を上下させず、お腹を引っ込めて息を吐き出し、お腹を膨らませて息を吸う呼吸法。横になっている時の呼吸が、この腹式呼吸です。
腹式呼吸にはリラックス効果も
腹式呼吸をすると、息をしっかりためておくことができるので、息のコントロールがしやすく、声の強弱や高低が自由になり、安定した声を長く出すことができます。
そのため、声優やアナウンサー、役者を目指す人は、まず腹式呼吸をマスターすることから始めます。腹式呼吸では、横隔膜を上下させることによって腸が刺激され、血行が良くなってお腹をマッサージしたような効果が期待できます。
また、自律神経のバランスを整え、リラックスした状態を作り出すことができるので、普段から取り入れたい呼吸法です。
腹式呼吸をマスターしよう
まず、へその約5p下のところにある「丹田(たんでん)」という部分に手を当てます。
丹田をへこませていきながら、できるだけすべて吐き切るような感じで息を口から吐きます。
お腹がしっかりへこんだら、へこんだお腹を自然に元通りにするイメージで鼻から息を吸いながら、丹田を少しずつ膨らませていきます。
息を吸い込み過ぎると胸式呼吸になってしまうので注意が必要です。息を吸ったら、お腹でしっかり支えてキープするようにしましょう。
イメージトレーニングをプラスする
腹式呼吸にイメージトレーニングを加えてみても。息を吐く時は、緊張や不安、イライラ、体の中の悪いものなどがすべて出て行き、息を吸う時は、新鮮な空気や心地よい香りが体のすみずみに行き渡るようなイメージをします。
不思議と気分がすっきりしてくるでしょう。自律神経が支配する体の機能の中で、唯一自分の意識でコントロールできるのが呼吸。電車での移動時やカフェでくつろいでいるとき、寝る前などいつでもどこでも行うことができます。
また、銀行での順番待ちや、待ち合わせで相手が遅れているときなど、イライラしがちな場面で行ってみても。
腹式呼吸に慣れてくると、短時間で気分をすっきりさせることができるようになるので、毎日継続して行うようにするとよいでしょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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