糖と体のタンパク質が結びついてできるAGE(糖化最終生成物)という老化促進物質。実は食べ物にも含まれています。
糖化とは
老化や病気を引き起こす大きな原因である“糖化”。 糖化とは、糖を過剰に摂取することによって、糖と体のタンパク質が結びついてAGE(糖化最終生成物)という老化促進物質がたまっていくこと。 私たちの体は、肌、髪、筋肉、骨、血管など大部分がたんぱく質で構成されています。 AGEがこれらのタンパク質にくっつくと、老化が促進されてしまうのです。 例えば、肌のコラーゲンなどのタンパク質にAGEがくっつくと、肌の弾力性や柔軟性が失われて、たるみやしわにもつながります。
おいしそうな香りが実は…
このAGE、実は食べ物にも含まれているのです。 例えば、ホットケーキを焼いたときに、こんがりと変化していくのも糖化。 ホットケーキの材料の砂糖が、牛乳や卵などのタンパク質と結びついてAGEができてしまうのです。 このように、食材がおいしそうな香りとともにこんがりと褐色に変化しているようなときは、多くの場合糖化が起こってAGEがたくさん産生されます。
生→加熱により増える
食品のAGEの量は、調理方法によって差が出てきます。 「生」の状態が最も少なく、加熱調理をすると多くなっていきます。 魚で言えば、お刺身より焼き魚の方がAGEが多くなります。加熱のなかでも、煮込んだりゆでたりするより、焼いたり揚げたりする方が多くなります。 ちなみに、鶏肉料理で比較した場合、水炊きを1とすると焼き鳥が10、北京ダックだと50にまで跳ね上がってしまうと言われています。 また、焼けば焼くほどAGEが増えるとされています。 肉の焼き加減で言えば、しっかり火を通すウェルダンの方が、生に近いレアよりもAGEが多いというわけです。 また、食材を加熱調理したときにできる「コゲ」の部分にはAGEが非常に多く含まれているので、コゲた部分はなるべく除いて食べるようにするとよいでしょう。
素材の美味しさを生かした「生」のものが良い
加工食品にも注意が必要です。スナック菓子、ビスケット、クッキーなどのお菓子は、加熱加工の過程で糖化が起こり、AGEができてしまいます。 また、ハムやソーセージなどの加工肉は、普通の肉よりも多くAGEが含まれています。 なるべく“熱を加えすぎない食品”、“加工していない食品”が、AGE量が少ないというわけです。 素材の美味しさを生かした「生」のものが良いと言えますね。 ただし、食べ物に含まれているAGEの量よりも注意を払わなければならないのは、糖分の摂りすぎなどによる「体内で起こる糖化」。 もちろんAGEが大量に含まれた食品を食べ続けるのは問題ですが、あまり神経質にならず、 「生のメニューを増やすようにしてみよう」と考えるくらいにして、いろんな食材をいろんな調理法で楽しみながら食べるようにするとよいでしょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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