将来の不妊を予防するための食生活や生活習慣をご紹介します。
不妊の定義
「不妊」とは、「避妊をしないで定期的にセックスをしているのに2年以上妊娠しない状態」を言います。
健康なカップルが通常の性生活を営んでいる場合、1年で約80%、2年で約90%が妊娠すると言われています。
つまり、約10%のカップルが不妊に悩んでいるということになります。
以前は、不妊は女性側に原因があると思われていましたが、今では原因は男女半々であることがわかっており、男女両方に原因があることもあります。
不妊の原因特定は難しい
不妊の原因をつきとめるのは簡単ではありません。
「精子と卵子が卵管で受精し、受精卵が子宮にたどりついて子宮内膜に着床する」というプロセスのどこかにひとつでも異常があれば妊娠しにくくなり、検査をしても原因がはっきりとわからないというケースも少なくありません。
晩婚・晩産化
最近増えている女性の不妊の傾向として、晩婚・晩産化が挙げられます。
卵巣の予備能力は、20代後半から少しずつ低下し始め、38歳くらいより急速に衰えることがわかっています。
加齢とともに卵子の質も量も低下するため、妊娠しにくくなるのです。
また、性感染症も不妊の原因になることがあります。
特に、若い女性に増えているクラミジア感染症は、感染しても症状が出ないことも多く、自分では気づいていないこともあるので注意が必要です。
不妊症は自分の健康状態とは関係ない
普段健康な生活を営んでいる若い男女は、「自分たちだけは、望めばいつでも子供をつくることができる」と思いがちですが、不妊症とは、自分の健康状態とは関係なく起こるもの。
しかし、不妊の原因は生活習慣や嗜好、環境などによるものがほとんどなので、日々の生活を改善して行くことで不妊を予防することは可能です。
不妊予防@食生活の見直し
まずは、食生活を見直してみましょう。
ホルモンバランスを整えるためには、規則正しい食生活が大切です。
なるべく多くの食材を少しずつバランス良く食べるようにしましょう。
過度なダイエットは月経不順や無月経を招き、将来の不妊のリスクになるので注意が必要です。
不妊予防A冷えの改善
特に女性に最近増えている冷え性も不妊の原因になることがあります。
体が冷えると卵巣への血流も悪くなり、卵巣の機能が低下してしまうのです。
普段から体を冷やさないよう心がけましょう。
冷たい飲み物などは控え、入浴はシャワーで済ませずバスタブにつかるようにします。
お風呂の中でストレッチなどしてもよいでしょう。
不妊予防B規則正しい睡眠
規則正しい睡眠も大切。
睡眠の質は、ホルモンバランスに影響を与えます。
規則正しく睡眠を取るというのは現代の生活ではなかなか難しいことですが、なるべく0時前には寝るなど、できることから心がけたいもの。
不妊予防Cストレスをためない
過度なストレスも自律神経やホルモンバランスを乱してしまうので注意が必要です。
適度な運動をしたり、趣味に没頭するなど、自分の中でのストレス発散法をたくさん持っておくとよいでしょう。
不妊予防D禁煙
不妊に大きな影響を及ぼすのがタバコ。
タバコは卵子の老化を早め、精子のDNAにダメージを与えると言われています。
若い女性は、妊娠・出産はまだまだ先のことと考えがちですが、将来不妊で悩むことがないよう、日々の生活改善を行いながら不妊の予防に努めましょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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