顎関節症は女性に多い症状の1つ。20〜30代の女性に最も多い顎関節症とは。顎関節症の原因と対策をご紹介します。
顎関節症とは
あごを動かす筋肉や関節に何らかの異常があって、様々な症状が出てくるものを総称して「顎関節症」と言います。
主な症状としては、あごを動かした時に額関節周辺やこめかみが痛む、あごを動かすと「カクカク」「ミシミシ」「コッキン」という音がする、口を完全に閉じることができない、口を大きく開けることができない、などです。
近年、顎関節症の患者は急増しており、20〜30代の女性に最も多いとされています。
顎関節症増加の背景
顎関節症が増加している背景として「現代人の顎の退化」が挙げられます。
若者に好まれる食事は、ファーストフードやハンバーグ、カレーライスなど柔らかいものが多いため、噛む回数も減り筋肉が衰えてしまい、関節の動きが弱くなっているのです。
また、女性に多い理由は、おそらく女性のほうが痛みやストレスに関して敏感で、健康に対する意識も高いため、症状が出たら早めに病院を受診するからではないかと考えられています。
また、ダイエットで食事量が減少した結果、かむ動作が減ってしまっていることも関係しているようです。
顎関節症の原因
主な原因としては、「食いしばり」や「歯ぎしり」など、顎関節周辺の筋肉が過度に緊張することによって、顎関節に負担がかかってしまうような動作です。
精神的な緊張や、仕事やプライベートでのストレス、肉体労働、またうつぶせ寝や頬杖をつく癖などもこのような動作の原因となります。
また、左右どちらか一方だけでかむ「偏咀嚼」も片側のあごに多くの負担がかかるため、発症の原因となります。
顎関節症の治療
顎関節症の治療は、歯科で行うのが一般的で、主な治療法には「スプリント療法」があります。
これは、夜寝るときに、やわらかいマウスピースを装着して、食いしばりや歯ぎしりで筋肉や顎関節にかかる負担を軽減させる方法です。
痛みが強い場合は、鎮痛剤や筋弛緩剤、抗不安薬などの内服をすることもあります。
日常生活で気を付けること
日常生活では、顎関節症の原因となる歯ぎしりや食いしばり、偏咀嚼などの習慣や、それらの原因となる背景を理解して取り除くことが大切です。
あごに過度な負担をかけないためにはストレスは禁物。
仕事などで長時間の緊張状態が続くような場合は、適度に緊張を解きほぐして筋肉を休ませてあげましょう。
意識的にリラクゼーションを行う工夫も大切です。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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