月経が毎月きちんとあるから「排卵している」と思っていませんか?出血はあっても排卵していないことがあるのです。
このような状態を「無排卵月経(むはいらんげっけい)」といい、最近の女性に増えているといわれています。
月経周期が28日程度の場合、通常排卵は月経が始まってから14日目くらいで起こり、基礎体温も低温相から高温相に移行しますが、
無排卵月経の場合は、低温相と高温相がはっきりしないでだらだらと続いたり、ずっと低温相のまま体温が上がらない状態が続きます。
連携プレーのバランスが崩れて起こる無排卵月経
毎月の月経をコントロールしているのは脳の視床下部(ししょうかぶ)という部分。
視床下部が脳下垂体(のうかすいたい)を通って、卵巣へ女性ホルモンを分泌する指令を下します。
この卵巣ホルモンの作用で子宮内膜が増殖し、卵巣の中では卵胞が成熟して排卵が起こります。
視床下部→下垂体→卵巣→子宮という緻密な連携プレーのなせる技で毎月の排卵→月経が繰り返されるわけです。
しかし何らかのきっかけでこの連携プレーのバランスが崩れてしまうと、排卵もストップしてしまうのです。
このような月経周期では、排卵後に高温相になるはずの基礎体温が上昇せず、子宮内膜も増殖をストップしません。
そしてついに増殖した子宮内膜があふれ出て出血となるのです。
無排卵月経の原因
原因として多いのがストレスや精神的ショック、過度なダイエットなど。
これらの精神的・肉体的ストレスが脳の視床下部に影響を及ぼし、その影響がホルモンの司令塔にも及んで、連携プレーが崩れてしまうのです。
排卵をしていないので、もちろん現状では妊娠できません。
また、無排卵のまま放置していると、無月経や不妊症につながる恐れがあるので早めの対処が重要です。
無排卵月経の治療え
治療としては、ホルモン剤の使用やライフスタイルの見直しで改善がみられることが多いようです。
いずれにしても、無排卵月経は自覚症状がなく、日常生活では気づかないことが多いので、日頃から基礎体温を測定して、自分の月経周期の状態を把握することが大切なのです。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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