性風俗のサービスなどの影響で、近年、クラミジアや淋菌の性器から咽頭(のど)、及び咽頭から性器への感染が増加しています。
増加している咽頭淋菌感染症
フェラチオやクンニリングスなどのオーラルセックスや、性風俗のサービスなどの影響で、近年、クラミジアや淋菌の性器から咽頭(のど)、及び咽頭から性器への感染が増加しています。
しかし咽頭淋菌感染症においては、日本ではすでに100年以上も前から見られていたのです。
性器に淋菌感染がある患者のうち、女性で70%、男性で12%に咽頭にも淋菌の感染を認めるという報告があります。
また、主にオーラルセックスを行うヘルス嬢の13.8%に、また主に性行為を行うソープランド嬢の5.1%に咽頭淋菌感染を認めるという報告もあります。
一方、性器の感染はないのに、咽頭のみに感染が見られるケースもあるのです。
自覚症状がない咽頭淋菌感染症
淋菌が体内に侵入して症状を起こすまでの潜伏期間は、菌の量や自身の免疫力の強さにもよりますが、目安としてだいたい3〜7日です。
咽頭の淋菌感染も咽頭クラミジア同様に、あまり自覚症状のない場合が多く、のどの痛みや発赤などの症状を認めるのは、感染者の約15%と言われています。
そのため、自覚症状がないままに感染に気付かず、未治療のまま放置しているケースも多いのです。
咽頭淋菌感染症の検査と治療法
検査はクラミジアと同様、咽頭の粘膜を綿棒でこすって(咽頭ぬぐい液)調べます。
治療は、性器の淋菌感染に効果のある抗生物質を使用します。
ただし、性器の感染には効果があっても咽頭の感染には薬剤効果が少なく、有効でない抗生物質もあります。
一般的に、性器の淋菌感染症と比べて咽頭の感染は治りにくく、より長期に、より多くの抗生物質を使用する必要があります。
性器の淋菌感染症を治療しても、パートナーや自分自身が頻繁に再発を繰り返す場合、咽頭の淋菌感染を疑ってみる必要があります。
性器の淋菌感染の治療をしても、咽頭の感染があった場合はそれが治りきっておらず、咽頭が再感染の原因となってしまうからです。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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