ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)は、子宮頸がんの原因となるウイルスで、性交経験を持つ女性の50~80%が一度は感染すると言われています。
子宮頸がんの原因となるウイルス?
ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)は、子宮頸がんの原因となるウイルスです。
HPVには100以上ものタイプがあり、そのうち30タイプ以上が生殖器に感染します。
これらは高リスク型と低リスク型に分けられるのですが、子宮頸がんの原因ウイルスとなるのは高リスク型のほうで、現在13種類のタイプがわかっています。
低リスク型には、イボや尖圭コンジローマの原因となるウイルスが含まれています。
性交経験を持つ人の50〜80%が感染!?
HPVは性交渉によって感染する、非常にありふれたウイルスで、性交経験を持つ女性の50〜80%が一度は感染すると言われています。
しかし、その多くは自己の免疫力で自然に排除され、約70%は1年以内に、約90%は2年以内にウイルスが消失するとされています。
若年者のHPV感染は一時的な感染がほとんどなのですが、30代以上になると持続的に感染している比率が高くなり、注意が必要です。
高リスク型HPVに感染していても、そのうち持続感染を起こすのはおよそ10%。持続感染者のうち、5人に1人が3年以内に前がん状態に進行し、さらにその一部が子宮頸がんに進行するリスクがあります。
また、HPV感染から子宮頸がんに進行するまでの期間は平均で10年以上と報告されています。
検査と予防法
HPVに感染しているからといって子宮頸がんになる確率は決して高くはないのですが、近年、初めてセックスを経験する年齢が下がってきていることもあり、若いうちからHPVに感染している人が多くなっています。
子宮頸がんの発症のピークは30〜40代ですが、最近は20〜30代の若い女性に子宮頸がんが増加しているのです。
エイズ感染の危険性倍増!
HPVに感染しているかどうかによって、子宮頚部に病変を引き起こすリスクが違ってきます。
HPV検査を通常の子宮がん検診と合わせて行うことによって、定期的に行う検診の間隔を定めることができ、より効果的な検診が可能になるのです。
最近はHPV検査を受け付ける医療機関も増えていますし、非常に精度の高い検査なので、定期的にチェックするとよいでしょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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