過呼吸について

カラダ2012.10.23(Tue) 08:00

過呼吸について

増加している過呼吸の原因と対処法を解説します。

過呼吸とは

過呼吸とは、突然息苦しさを感じ、動悸や頻脈、めまい、指先や口の周りのしびれなどの発作を起こすもので、ひどいときには意識がもうろうとしたり、全身のけいれんをおこして意識を失うこともあります。

「このまま死んでしまうのではないか」という強い恐怖感や不安感が生じることも。

急に息苦しく空気が吸えない状態になって、速く激しい呼吸を繰り返すうち、血液中の二酸化炭素が排出されて不足してしまい、上記のような症状があらわれますが、通常は30〜60分ほどで発作は自然に軽快していきます。

過呼吸になりやすい人

過呼吸は、10〜20代の女性に多く、性格的には、心配性で不安を感じやすい人や几帳面な人などに起こりやすいようです。

また、夜間に救急車で搬送される人の約30%がこの発作によるものだと言われていることからも、過呼吸はある意味身近な疾患のひとつなのです。

過呼吸を引き起こす原因としては、極度のストレスや精神的プレッシャーなどが挙げられますが、現代はストレス社会のせいか、この症状に悩む人は増加しています。

過呼吸の対処法

過呼吸への対処として大切なことは、呼吸をコントロールして二酸化炭素不足を解消することです。

まずは、息を吸う時間の2倍時間をかけるつもりでゆっくり吐くことを意識するようにしましょう。

息を吐く前に1〜2秒程度息を止めてから、10秒くらいかけて吐くようにします。

周囲にいる人は、背中をゆっくり押してあげて、呼吸をゆっくりするように促しながら、冷静な対処を心がけることが大切。焦らず騒がず、本人の気持ちを落ち着かせるようにしましょう。

過呼吸で死んでしまうことはないということを理解しておくことで、落ち着いた対処ができるはずです。

口に紙袋を当てるのはNG

応急処置としてやってしまいがちな、口に紙袋をあてて吐いた息を再度吸い込む「ペーパーバック法」sですが、窒息による死亡事故も報告されており、この処置が良くないということがわかってきました。

過呼吸を予防するには、原因を取り除くことが重要です。

自分を見つめ直し、なぜ不安になってしまうのか、不安になってしまう原因を考えてみましょう。

そして、不安になったら大きく息を吸って、不安を吐きだすイメージで大きく息を吐きます。

また、病気に対する正しい知識を身につけ、息ができずに死んでしまうことはないということを理解することも大切です。

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松村圭子

by 松村圭子

成城松村クリニック院長