誤解が多いHIV感染の感染経路や検査法、治療法について。
HIVとは
HIVとは、Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)の頭文字をとった略称です。
HIVは精液や腟分泌物、母乳、血液中にいて、これらの体液がヒトの粘膜や皮膚の傷口に触れると感染する危険性が高まります。
涙や汗、唾液に含まれるウイルス量はごくわずかであるため、これらから感染することはありません。
HIVの主な感染経路
HIVはとても弱いウイルスで、水中や空気中ではすぐに死んでしまうため、日常生活で感染することはほとんどありません。主な感染経路は…
@血液感染
A性行為感染
B母子感染(胎内感染・産道感染・母乳感染)
の三つです。現在最も多い感染経路は性行為感染で、コンドームを使用しない性行為による感染の確率は平均0.1〜1%と言われています。
感染を知るには血液検査
HIVに感染して1〜2週間後に、風邪に似た症状が出ることがありますが、無症状の人も少なくありません。
また、この時期にHIV検査をしても陽性反応はでません。
感染後6〜8週間経つと、血液中にHIVに対する抗体ができますが、ほとんどが無症状なので、自分がHIVに感染しているかどうか知るには血液検査によるHIV検査を受けるしかありません。
検査は保健所で無料・匿名で受けることができる
検査を受けるタイミングとしては、感染の可能性のある行為を行ってから3ヵ月以上あけて検査を受ければ、HIV感染の有無を確実に判定できます。
検査は全国の保健所で、無料・匿名で受けることができます。
最近では、利便性の高い夜間、休日、迅速検査を導入するところが増えてきて、検査も受けやすくなってきています。
薬によって病気の進行を抑えることができる
一度感染すると、体内からHIVをなくしてしまうことはできませんが、治療の進歩により、HIVの働きを抑える治療薬が多数開発され、病気の進行を抑えることができるようになりました。
HIVの増殖を抑えるためには、血液中の薬の濃度を一定以上保っておかねばなりません。
そのため毎日決められた時間に規則正しく薬を飲み続ける必要があります。
薬を飲んだり飲まなかったりしていると、薬の効きにくい薬剤耐性ウイルスが出現する可能性が出てくるのです。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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