避妊用具の使い方や目的についてご紹介します。
リングとは?
リングは、正しくは子宮内避妊用具(IUD)と呼び、避妊の目的で子宮内に装着する、プラスチックなどで作られた小さな器具のことです。
避妊効果を高めるために、銅や薬剤を付加されたリングもあります。
子宮内にリングという「異物」を入れることにより、異物反応を起こして精子の運動性を低下させたり、精子と卵子の受精を阻害することによって避妊効果をもたらします。
リングには非常に高い避妊効果があり、正しく使用した場合の妊娠率は0.1〜0.6%といわれています。
数年にわたり避妊効果が持続
挿入は月経終了直後の時期に、産婦人科で行います。
挿入時に多少の痛みを感じることがありますが、装着後はそのまま帰宅できます。リングの製品によっても異なりますが、一度挿入すれば数年にわたり避妊効果が持続し、毎日避妊のことを考える必要がありません。
出産経験があり、長期の避妊を望む女性におすすめ
妊娠したくなったときには医師によって取り外してもらうことにより、子宮内は挿入前の状態に戻りますので、妊娠は可能となります。
リングは出産の経験があり、長期の避妊を望む女性に適していますが、出産後、次の出産までに間をあけたい場合なども、子宮の回復(産後6週間以上)を待って挿入することができます。
産後の避妊を考える場合、ピルにはホルモンが含まれているので授乳をしている女性には使用できませんが、リングなら授乳中でも使用できるので安心です。
黄体ホルモン付加リング
近年では、黄体ホルモンを放出するリングが日本でも発売されるようになりました。
これは、黄体ホルモンが子宮内膜を薄くすることによって、受精卵の着床(妊娠の成立)を妨げたり、子宮の入り口の粘液を変化させて精子が膣から子宮内に侵入するのを妨げたりすることで避妊効果をさらに高めるものとなっています。
また、通常のリングでは挿入後月経血量が増加することがありますが、黄体ホルモン付加リングは、子宮内膜の増殖を抑える働きがあるため月経血量は減少するので、月経血量の多い女性に向いています。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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