処女膜の役割って知ってますか?意外と知られていない処女膜についてご紹介します。
フリルのような粘膜の“ひだ”
処女膜とは、腟の入り口のすぐ内側にある、フリルのような粘膜の“ひだ”のことを指します。
医学的には、特に生理学的な役割はないとされています。
処女膜は、腟の入り口をひだが取り囲むようにして狭めているようになっているだけであり、膜といっても腟口をふさいでいるわけでありません。
そのため膣口から月経時の経血やおりものなど分泌物が排出できるのです。また、形にも個人差があり、人それぞれです。
処女膜の形
処女膜で最も多い形は、前述したような「環状処女膜」ですが、一部がつながっている「中隔処女膜」や、小さな穴が多数開いた「篩状(しじょう)処女膜」もあります。
これらは膜の一部がつながってはいますが、穴があるので、月経血やおりものは問題なく排出され、また婦人科で簡単に切開することが出来ます。
切開が必要な状態もある
まれに、膣口が完全に処女膜でふさがっている「処女膜閉鎖」という状態があります。
これは、初潮を迎える思春期の頃に、約一ヶ月ごとにお腹の張りと痛みを伴うようになるもので、月経血が排出されないため、膣内に経血が充満し、ぱんぱんにふくれてしまいます。
この場合も切開して治療します。また、膣口は完全にはふさがれていないけれど、処女膜が厚く硬く、伸びにくいため膣口がせまくなって性交が困難になる「処女膜強靭症」という状態もあります。
この場合も切開することによって普通に性交できるようになります。
出血の有無で処女であるかどうかの判断はできない
処女膜は、初めてのセックスで裂けると痛みを伴い出血することもありますが、出血しないこともあります。
また、激しい運動などによって裂けることもあるため、初めてのセックスで出血しなかったからといって処女でないとは言えません。
また出血も処女膜からの出血の場合もあれば、傷ついた腟内部からの出血という場合もあります。
いづれにしても、出血の有無で処女であるかどうかの判断はできないのです。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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