妊娠はしたけれど、さまざまな事情でどうしても中絶をせざるを得ない場合もあります。そのようなときに行われる人工妊娠中絶について解説します。
人工妊娠中絶とは
人工妊娠中絶とは、胎児が母体の外で生存できない時期に、胎児を母体外に出して妊娠を人工的に中断することを言います。
中絶なんて若い子たちに多いと思われがちですが、実際は10代よりも30代のほうが圧倒的に多く、40代の中絶も多く見られます。
10代と40代では妊娠した人の3人に2人、次いで20代前半と30代後半では3人に1人が中絶をしています。
中絶は、妊娠する可能性のある女性であれば、どの年代の女性にとっても大きな問題といえるのです。
法的に認められている中絶理由
中絶は「母体保護法」という法律にのっとって行われるわけですが、そのなかで認められている中絶理由としては、
@妊娠の継続又は分娩が母体の健康を著しく害するおそれのある場合
A暴行若しくは脅迫など、拒絶できない状況で妊娠してしまった場合の二つです。
希望すれば誰でも自由に中絶できると思っている人も多いかもしれませんが、法的にはそうではないのです。
妊娠22週以降の中絶は法的に認められていない
また、妊娠22週以降は今の医療では胎児は母体外で生存が可能とみなされるため、どんな理由であっても中絶をすることは法的に認められていません。
また、中絶には、相手がわからない場合や行方不明、死亡などで相手の意志を確認できない場合を除いては、本人と相手の男性の署名・捺印した同意書が必要になります。
未成年でも基本的には本人と相手の同意だけでよいのですが、病院によっては保護者の同意を求めるところもあります。
今回は人工妊娠中絶について、法律的な側面からみてきましたが、いずれにしても、望んだ時に、望まれる子を授かることが、女性にとってまた産まれてくる子供にとっても幸せなことですね。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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