キスをするとき、パートナーが風邪気味だと、「風邪がうつってしまうかも…」と心配になったことはありませんか?そもそも、キスで風邪はうつるものなのでしょうか?
キスで風邪はうつるものなの?
答えはYes。スキンシップはしたいけど、さすがに風邪がうつってしまうのは困りますね。
そもそも、風邪はウイルス感染が原因。咳やくしゃみなどによってウイルスが飛散して粘膜に付着することで感染します。
唇と唇が接触するだけのキスでは本来感染しませんが、キスで粘膜と粘膜の濃厚な接触があると、うつってしまうことがあるのです。特に、唾液の交換がなされるようなキスは危険。
キスによってうつる感染症の“キス病”
キスによってうつる感染症のひとつに、“キス病”とも呼ばれる「伝染性単核球症」という疾患があります。
原因のほとんどは、EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)というウイルスの感染で、文字通りキスをしたりすることで感染して発症します。
聞きなれないこのEBウイルス、実はほとんどの人が感染したことのあるウイルスで、日本では2〜3歳までに約7割が、20代では約9割がEBウイルスに対して免疫を持つと言われています。
症状は、感染する年齢によって異なり、乳幼児期では感染しても症状がでない「不顕性感染」で終わることが多く、思春期以降に初めて感染すると、約半数で伝染性単核球症を発症すると言われています。
思春期以降に感染する場合は、キスで感染することがほとんどのため、「キス病」と呼ばれているのです。
キス病の症状
伝染性単核球症は、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れの3つが特徴的な症状。
風邪と似たような症状ですが、一般的に風邪の場合、発熱期間は3日程度であるのに対して、伝染性単核球症の場合は5〜7日程度とやや長い傾向があります。
それ以外にも、倦怠感、扁桃腺の腫れ、ひどい時には肝臓や脾臓が腫れることも。倦怠感は数週間から数か月続くこともあります。
症状が長引いても基本的に自然治癒する疾患ですが、肝臓の機能の異常や脾臓の腫れなど注意しなければならないこともあります。
何日も発熱が続いて、のどの痛みが出てきた、首のリンパ節が腫れてきた…などの症状がある場合は、ただの風邪ではないかもしれません。早めに医療機関を受診するようにしましょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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