皮膚の表面に亀裂が入ってデコボコした「肉割れ」。「ストレッチマーク」とも「妊娠線」とも言われます。これは妊婦さんだけじゃなく急激に体重が増えたり、もともと運動の習慣がない人がいきなり過度な運動を始めることによってできることがあるのです。
肉割れの原因
皮膚の表面に亀裂が入ってデコボコした「肉割れ」。「ストレッチマーク」とも「妊娠線」とも言われますが、医学的には「皮膚伸展線条」と呼ばれます。肉割れの原因は、急激な体形の変化によって皮膚が引き伸ばされてしまうこと。
皮膚は、表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という三つの層でできているのですが、柔らかく伸縮性に富む表皮に対して、真皮は表皮ほど伸縮性や柔軟性がないため、皮膚が急激に引き伸ばされると真皮はその変化に合わせて十分に伸びることができず、裂けてしまうのです。
そのため、急激に体重が増えたり、もともと運動の習慣がない人がいきなり過度な運動を始めることによって、筋肉が増加することで肉割れができることがあります。
また、皮下脂肪がついてくる思春期に太ももやお尻などにできたり、お腹が急激に大きくなる妊娠5か月頃に、お腹や胸にできやすくなります。
肉割れは完全に消える?
できたばかりの肉割れは赤紫色をしていますが、次第に薄れて比較的目立ちにくくはなります。
しかし、残念ながら一旦できてしまった肉割れは、完全に消えることはありません。医療用レーザーなどによる治療で目立たなくすることは期待できますが、効果には個人差があります。
肉割れ予防対策
「無かったことできない」肉割れは、できないよう予防することが大切。急激に体重を増やさないために、食生活や生活習慣を乱さないようにしましょう。
リバウンドを招きやすい過度なダイエットも禁物。運動を始めるならいきなり激しいトレーニングではなく、ストレッチなどから始め、無理のない範囲で運動強度を上げるようにしましょう。
乾燥や血流の悪化は皮膚の柔軟性や伸縮性の低下を招いてしまうので注意が必要です。まめに保湿をし、マッサージや運動などで血流を促すようにしましょう。
妊娠時の肉割れ予防対策
体重が増える妊娠時は、どうしても妊娠線ができやすくなりますが、予防対策は、やはり体重を増やしすぎないこと。
逆に、体重増加による妊娠線が気になるあまり、胎児に必要な栄養素まで不足してしまうのはもちろんNG。
必要な栄養素を十分に摂ったうえで、適切な体重管理をすることが大切です。
肉割れは、健康上問題になるわけではありませんが、容姿的なコンプレックスにつながることも。できないように予防することが大切ですね。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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