旅行や大切なイベント、スポーツなどの日程が月経と重なってしまい、月経日をずらしたい!
そんなときには中用量ピルの内服で月経時期を調節することが可能です。月経の移動には、月経を早める方法と遅らせる方法があります。
大切なイベントの時は、上手に月経を移動させて、最高のコンディションで臨みましょう!
月経を「早める」場合
移動させたい月経の前の月経が始まって5日目から1〜2週間程度ピルを内服すると、内服を終了して2〜5日くらいで出血が始まります。
この方法で月経の予定を1〜2週間早めることができます。月経を早める場合は、1ヵ月前の月経が始まってから5日目までに婦人科を受診するようにしましょう。
月経を「遅らせる」場合
移動させたい月経の始まる予定日の1週間前から、月経になりたくない日までピルを内服すると、やはり内服を終了して2〜5日くらいで出血が始まります。
この場合は、排卵日以降にピルを飲み始めることになるので、妊娠の可能性がないことが条件です。
また、ピルの飲み始めが月経予定日の1〜2日前だと月経の開始を止められず、月経を遅らせることはできません。
月経を遅らせる場合は、月経開始予定日の1週間前までには婦人科を受診するようにしましょう。
ピルに対する反応
ピルは、1日1回1錠をきちんと飲むようにしますが、ピルに対する反応には個人差があり、月経移動の成功率は100%ではありません。
また、副作用として吐き気、気持ち悪さ、嘔吐、頭痛、だるさなどが起こることがありますが、通常は2〜3日くらいで治まってきます。
月経移動によって一時的にホルモンバランスが変化しますが、月経移動後の出血が始まったらホルモンバランスは元に戻り、月経周期も以前の周期に戻ります。
月経を早めると遅らせるメリットとデメリット
月経を早める方法のメリットは、月経を避けたい期間にピルを飲まなくて済むこと。デメリットは、内服期間中に少量の出血がある場合があることです。
月経を遅らせる方法のメリットは、正しく服用すれば、早める方法よりも確実に月経を移動させることができること。
デメリットは、月経を避けたい期間にもピルを飲まないといけないので、副作用が出た場合は、逆に旅行やイベントなどがつらくなってしまうことがあることです。
受験のある人などは、2〜3周期前から低用量ピルを内服して月経周期を調整することもできます。
受験日に吐き気などの副作用があっては困るので、前もって低用量ピルを内服して慣れておくようにするのです。
低用量ピルは月経痛にも効果的なので、受験前の体調維持にもお勧めです。受験前の秋くらいに婦人科で相談するとよいでしょう。
by 松村圭子
成城松村クリニック院長
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