ダブルバインドとは……
ダブルバインド(二重拘束)、とは相手にNOと言わせないための心理的な手法のこと。有名なカップスープのコマーシャルで、「スープにパンを合わせるときは、スープにパンを付けて食べる“つけパン”、パンを浸して食べる“ひたパン”、あなたはどっち!?」というものがありました。
こう問いかけられると思わず「う~ん、つけて食べるかなぁー」などと考えてしまいませんか?「どっちで食べるか」と考えているということは、つまり“食べることは前提”になっている、ということ。「スープを食べない」という選択肢ははじめから排除され、どっちみち食べるように“二重に拘束”されている、というわけ。
デートすることを前提に質問してみる
「今度、デートしない?」このお誘いは、質問の答えに“デートしない=NO”、という選択肢も含んでしまっていますね。
ですから、質問を以下のように変えてみましょう。「外出するなら、土曜日と日曜日とどっちのほうがいい?」「遊びに行くなら、遊園地と水族館どっちのほうが好み?」「イタリアンとフレンチ、どっちを食べたい気分?」こう質問されると、相手は無意識のうちに、土曜日or日曜日、遊園地or水族館、イタリアンorフレンチ……と、与えられた選択肢の中から選ぶように誘導されます。
向こうから「土曜日のほうが都合つきやすいかな?」と言ってもらえればしめたもの。行き先なども同じように質問することでデートの約束までこぎつけられるでしょう。
質問前のリサーチは入念に
ダブルバインドは選択肢を排除することで相手を心理的に断りにくい状況に追い込むテクニック。そのため、もしも断るというときには、単純なYES・NOの回答よりも心理的な負荷がかかってしまいます。
いざデートができたとしても、相手から「本当は断りたかったけれど、強引に約束されてしまった……」と思われていたら嫌ですよね。ですから、お誘いをする前には必ずリサーチを。
例えば動物好きの彼を誘うなら水族館は外して「猫カフェ」か「動物園」の二択にするなど、相手の好みにあった選択肢を用意しましょう。あるいはいきなり長時間のデートではなく「ランチか、軽くお茶でもどう?」など相手が「そのくらいならまぁいいか」と思えるようなハードルの低い選択肢を用意しておくと成功率が高まります。
適切な選択肢を用意することで、相手はどちらかを選ばされているにも関わらず、“自分からあなたとデートすることを選んだ”と思うようになります。
これを積み重ねることで、相手はあなたを「自分が選んだかけがえのない人」と錯覚するようになるのです。