不眠は心からのサインかも!?
夜になると、寝付けない。ベッドに入ると、色々な事を考えて頭が冴えてしまう。明け方しか寝れないから、昼間眠くて仕方がない。
こんな経験がある方は、もしかしたら不眠の傾向にあるかもしれません。不眠症の原因は、色々ありますが、一時的な環境の変化や、心理的ストレスがかかる状況下におかれているために、数日間眠れないものを一過性不眠と言います。
環境や、ストレスではなく、心疾患や呼吸器疾患など、身体の病気の為に眠れないということも起こります。身体の病気を治すことで、不眠が解消することもあります。
または、何か心に負担がかかっていて、その事を何とかあなたに伝えようとしている、「身体からのサイン」とも考えられます。心の負担を取り除き、心地よい睡眠を取り戻しましょう。
不眠症の種類
「不眠症」は、その症状によって、いくつかの種類に分けられています。
①入眠障害の不眠症
これは、寝付きが悪く、なかなか眠れない、という症状です。だいたい、眠るまでに30分~1時間以上かかるような場合を指しています。
②中途覚醒の不眠症
これは、朝起きるまでの間に、何度も目が覚めてしまうものです。特に、中高年の方に多く見られる症状です。
③早朝覚醒の不眠症
これは、朝早く目が覚めてしまう症状の事です。早すぎるので、もう一度寝ようと思っても、一度起きると、もう寝られないという症状です。
また、充分に睡眠時間はとっているのに、眠りが浅いため熟睡感が得られないと言った症状もあります。
不眠症の原因
不眠症の大きな原因の一つに、「自律神経」のバランスが崩れていることが考えられます。自律神経は、私たちが意識でコントロールできない部分をコントロールしている神経の事です。
例えば、呼吸や消化、体温調節、脈拍などの部分を調整しています。自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」があります。「交感神経」は、身体を緊張させ、興奮状態にする神経です。対する「副交感神経」は、リラックスする神経の事です。
通常、朝起きて、これから動くぞ!という時に、交感神経が働き、夜、一日の生活が終わると、副交感神経が働くことによって、自然に眠くなっていくのです。
不眠症は、交感神経がずーっと働きっぱなしになっているために、夜ゆっくりと眠れなくなっているのです。分かりやすく説明すると、交感神経が「アクセル」、副交感神経が「ブレーキ」です。
ずーっと、アクセルを踏みっぱなしの状態では、休む事はできません。心の状態によっても、ブレーキの存在を忘れてしまうことがあるのです。アクセルとブレーキを適度に使えるよう、メンタルトレーニングをしていきましょう。
不眠症からの回復
大きな原因として、自律神経のバランスが崩れている事をお話しました。バランスを整えるのに効果的なものがあります。「自律訓練法」です。
これは、習得すると、ご自宅で一人で実践することができます。寝る前にベッドの中で実践すると効果的です。また、「呼吸法」も、簡単で非常に効果があります。
自律訓練法
自律訓練法の習得には、カウンセラーなど専門家に指導してもらうことを薦めます。
まず、静かな部屋でリラックスして、横になります。ベッドの上でも大丈夫です。次に、身体の力を抜いて、軽く目を閉じて下さい。そして、これから紹介する公式を一つずつくり返しながら、イメージしていきます。
自律訓練法「公式」
基本公式
気持ちが落ち着いている(気持ちが落ち着いているイメージを持ちながら、くりかえします)
第1公式
①右手が重たい(右手が重くなっているイメージを持ちながら、くりかえします)
②左手が重たい
③両手が重たい
④右足が重たい(右足が重たくなっているイメージを持ちながら、くりかえします)
⑤左足が重たい
⑥両足が重たい
⑦両手両足が重たい(慣れてきたら、一度に両手両足が重たいと行っても大丈夫です)
第2公式
両手両足が温かい(初めは第1公式のように、手足バラバラに一つずつ行いましょう)
第3公式
心臓が静かに楽に打っている(心臓に問題がある方は、飛ばしましょう)
第4公式
呼吸を楽にしている
第5公式
お腹が温かい(消化器系に問題がある場合は飛ばしましょう)
第6公式
額が涼しい(公式の途中で、眠ってしまってもOKです。それで睡眠の効果があります)
※注意事項昼間、自律神経の訓練として行った場合は、最後に必ず「消去動作」を行ってから日常生活に戻るようにしましょう。
消去動作は、大きく深呼吸して、手を開いたり閉じたりをくりかえします。目をパチパチ開いたり閉じたりしてください。
呼吸法①
呼吸と自律神経には深い関係があります。呼吸とは、息を吸って吐くことですよね。実は、息を「吸う」時、交感神経が働きます。緊張する神経です。
そして、息を「吐く」時、副交感神経が働きます。リラックスする神経です。呼吸は、普段無意識にしているものです。意識的に深い呼吸をすることで、身体をリラックスさせることができます。
吸う時間より、吐く時間を長くすると、それだけ副交感神経が働きます。緊張している時は、呼吸が浅く早くなるのはそのためです。
呼吸法②
現代人は、呼吸の仕方が「胸式呼吸」になっている人が多いようです。胸式呼吸だと、空気が肺に入らないので、長く吐くことが出来なくなります。
「腹式呼吸」を心がけましょう。見分け方としては、胸式呼吸をしていると、息を吸った時、胸の上部や肩が上がります。
そして、息を吸った時、お腹が凹んでしまっています。ちゃんと、腹式呼吸が出来ると、肺の深いところまで空気が入ります。息を吸った時にお腹が出て、吐くと引っ込みます。
難しい人は、仰向けに横になり、膝を立てた状態で、お腹に手を当てます。そして、息を吸った時にお腹が出るように練習してみましょう。