視力の良し悪しを決める筋肉
視力の良し悪しは、カメラのレンズにあたる水晶体の厚みを調節して遠近のピントを合わせることができるかどうかで決まります。
その水晶体の調節をするのに大きな役割を果たしているのが「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉で、近くを見る時は毛様体筋が緊張して水晶体が厚くなり、反対に遠くを見る時は毛様体筋がゆるんで水晶体が薄くなります。
このような調節によって、近くを見る時も遠くを見る時もピントを合わせることができるわけです。
しかし、長時間近くのものを見続けていると、毛様体筋が緊張しっぱなしになってしまうため、遠くを見ても、毛様体筋が緩んだ状態に戻りにくくなってしまいます。
つまり、遠くのものにピントを合わせることができず、ぼやけて見えてしまうのです。
毛様体筋を鍛えるトレーニング
視力を落とさないようにするためには、この毛様体筋の筋力を低下させないようにすることが大切。
ここでは、毛様体筋を鍛えてスムースに動かすようにするトレーニングをご紹介しましょう。
まず、カレンダーを用意し、ひとつの数字を見つめます。数字を見ながらカレンダーから少しずつ離れ、数字の輪郭がぼやけてきたところで立ち止まります。
そこで、数字がはっきり見えるようになるまで見つめたあと、数秒間目を閉じてリラックスします。
そして目を開けると、また数字がぼやけて見えるので、はっきり見えるようになるまで見つめたあとまた目を閉じ、これを5分くらい繰り返します。
できれば一日3回くらい行うとよいでしょう。効果には個人差がありますが、遠くを見る時でも毛様体筋の緊張が強い人には特に効果があるようです。
しっかり噛んで視力を維持する
毛様体筋を鍛えるには、よく噛むことも大切。ものを噛む時に使われる筋肉(そしゃく筋)は、毛様体筋とも連動しているため、よく噛み、表情豊かにしてそしゃく筋を鍛えることが毛様体筋の筋力増強にもなるのです。
よく噛まないと、そしゃく筋の筋力が弱まり、ひいては視力にも影響を及ぼしてしまうことも。噛みごたえのある食べ物をしっかりよく噛んで食べることが、視力の維持にもつながるのです。