排便のメカニズム
食べ物を食べて胃が膨らむと、大腸がぜん動運動を開始し(胃結腸反射)、直腸に便が運ばれます。
すると、脳にシグナルが送られて便意をもよおし、さらに大腸のぜん動運動が活発になってきます(直腸結腸反射)。そして、肛門を締める括約筋がゆるみ、いきむと便が排出されるというのが排便のメカニズム。
まずは大きくゆっくり深呼吸
胃結腸反射は、朝が最も活発ですが、便意を我慢することでこの反射は鈍くなります。便意を我慢するには、まず大きくゆっくり深呼吸をして、お腹をさすって温めてあげましょう。
そして、意識をお尻に集中させるようにします。肛門を締める括約筋には、内側の「内肛門括約筋(ないこうもんかつやくきん)」と、外側の「外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)」があり、自分の意志で動かせるのは外肛門括約筋です。
意識をしっかりお尻に集中して外肛門括約筋をぎゅっと締めるようにしましょう。
背筋を伸ばして姿勢を正しく
腹圧が上がるとがまんができなくなってしまうので、なるべくお腹に力を入れないようにします。
座っているより立っているほうが腹圧が下がるので、電車に乗っているような時であれば、立つようにしましょう。
前傾姿勢だと腹圧は下がりますが、排便がしやすい体勢になってしまうので、背筋を伸ばして姿勢を正しくするようにします。
走るのはNG
トイレに行ける状態になっても、焦ってトイレに走ったりすると、がまんができなくなってしまうことがあるので注意が必要です。
走ると、お尻に集中していた意識が、走るための筋肉へと分散されるため、ぎゅっと締めていた外肛門括約筋が便の圧力に耐えられなくなってゆるんでしまうのです。
トイレに行く時は、落ち着いて意識をお尻に集中したまま、ゆっくり歩いて移動して無事トイレにゴールインできるようにしましょう。
急にお腹が痛くなってトイレに行きたくなった時の対処法をご紹介しましたが、一番大切なのは、何と言っても規則正しい排便習慣です。
朝の最も大腸のぜん動運動が活発になりやすい時間帯に、ゆっくり時間をとって排便する習慣をつけるようにしましょう。