便秘とホルモンの関係
女性は、特に月経前に便秘になりがちですが、これは、ホルモンの働きが関係しています。
排卵後に分泌される女性ホルモンのひとつである「プロゲステロン」は、腸管の蠕動運動を抑える作用があるため、便秘に傾きがちになるのです。
また、極端なダイエットで食事量を減らすことも、腸への刺激が少なくなって便の量も減るので便秘になりやすくなります。
生活習慣に配慮して、便秘になる原因を排除していくとともに、ここでは便秘を改善するために、日常生活に取り入れやすいメソッドをご紹介しましょう。
朝食時にオリーブオイル
朝食時にオリーブオイルを取り入れてみましょう。「天然の下剤」とも言われるオリーブオイルは、小腸で消化吸収されにくく、便のすべりを良くします。
また、オリーブ油の成分のひとつであるオレイン酸が、腸管を刺激して排便を促してくれます。
腸の蠕動運動が強い朝食時に、大さじ1杯(15ml)程度摂るようにしてみましょう。サラダにかけたり、パンに塗ったり、納豆にかけて食べてもよいでしょう。
おにぎりは便秘解消の味方①
次におススメするのがおにぎり。ごはんにはたっぷりの水分と食物繊維が含まれているので、スムースな便通に必要な「水分」と「便のかさ」を大腸に届けることができるのです。
白米に雑穀や玄米、発芽玄米を加えて炊くと、食物繊維もアップします。具にヒジキや切り干し大根、ゴボウなどを入れるとさらに食物繊維効果がパワーアップします。
おにぎりは便秘解消の味方②
米に含まれるでんぷんの「アミロース」は、加熱調理した後に冷めると、食物繊維に似た働きをする「難消化性でんぷん」に変化します。
すなわち、ごはんが冷めているおにぎりを食べると、この難消化性でんぷんが小腸で消化されずに大腸まで届き、便のかさを増やしてくれるのです。
冷めてもおいしく、具でバリエーションを増やせるおにぎりなら、主食として飽きることなく続けることができます。まとめて作ってひとつずつラップにくるんで冷凍しておくとよいでしょう。
腸内環境を整えよう
便秘を解消するには、腸内の環境を整えることも大切です。腸内には、“もうひとつの臓器”ともいわれる、1,000種類以上、9,000兆個にも及ぶ腸内細菌が存在していますが、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌はほんの少し。
そのわずかな善玉菌を元気に保つことが便秘を予防して腸を健康にする秘訣です。
ヨーグルトや乳酸菌飲料を積極的に
ビフィズス菌や乳酸菌など善玉菌を含んだヨーグルトや乳酸菌飲料を摂るようにするとよいでしょう。
摂った善玉菌がそのまま腸に住み着くわけではありませんが、これらの善玉菌が刺激になって、腸内の環境を改善してくれます。
ビフィズス菌や乳酸菌は、基本的には胃酸に弱いので、胃酸が薄まる食後に摂るとよいでしょう。腸内細菌の種類や数は人によって異なるので、合わない菌もあります。
一つの菌を2週間程度続けてみて、効果がないようであれば、別の菌に変えてみるとよいでしょう。
蠕動運動を促す腹式呼吸
腸を刺激して蠕動運動を促すには、腹式呼吸も効果的です。深い呼吸をすると、横隔膜が大きく動いて腸を上下に揺さぶり、体の内側から腸を刺激してくれるのです。
息を吐きながらお腹をしっかりへこまし、吐き切ったらお腹をふくらませながら息を吸うようにします。3~5分程度続けてみましょう。できるだけ細く長く続けるのがポイントです。